概要:
第59回例会では,第56回例会に引き続き,Pierre Noël Barrouillet ed. (2015). Special issues: Theories of development. Developmental Review Vol.38.を文献として取り上げます。特に,Susan Goldin-Meadow,Philippe Rochat,David F. Bjorklundの論文を取り上げます。
ショートレクチャーは,小島康次先生(札幌保健医療大)にお願いし,理論的な見地から,今後の発達研究の展望についてショートレクチャーをしていただきました。
●日時 9月22日(日) 11時00分から17時00分
●場所 愛知県立大学サテライトキャンパス
愛知県産業労働センター「ウインクあいち」15階(名古屋市中村区名駅4丁目4-38)
http://www.winc-aichi.jp/access/
●文献:Pierre Noël Barrouillet ed. (2015). Special issues: Theories of development.
Developmental Review, Vol.38.
https://www.sciencedirect.com/journal/developmental-review/vol/38
●スケジュール
司会:小島康次(札幌保健医療大学)・浅川淳司(金沢大学)
11:00 開始
11:05~12:15 「Developing adaptations(pp.13-35)」
David F. Bjorklund
報告:浅川 淳司(金沢大学)
12:15~13:10 昼食
13:10~14:20 「Layers of awareness in development (pp.122-145)」
Philippe Rochat
報告:山田 真世(福山市立大学)
14:20~15:30 「From action to abstraction: Gesture as a mechanism of change(pp.167-184)」
Susan Goldin-Meadow
報告:三宅 英典(松山東雲女子大学)
15:40~16:40 ショートレクチャー:発達心理学の理論と展望−発生的記号論序説
講師:小島 康次(札幌保健医療大学保健医療学部・教授)
16:40~17:00 全体討論
●ショートレクチャー概要:
拙著『認知発達の理論と展望―ピアジェ理論への新たな視点』を上梓してから30年の歳月が流れた。ピアジェ理論をその土台から批判するには記号論の導入が必須であるという拙著における問題提起は私のライフワークとなった。
ピアジェは『発生的認識論序説』で科学史を構成主義的に精神の発生としてとらえたが、それを発達のメカニズムと接合できなかった。ヴィゴツキーは「子どもの文化的発達」(1928年)を嚆矢として言葉(記号)の媒介による“文化的発達”という新しいカテゴリーを提起し、言語的思考こそが内言の意味(記号世界)であり、科学的概念の発達を保障するものであることを示した。しかし、個体発生における記号世界成立のメカニズムを明らかにしたのはラカンであり、無意識は言語の構造に象徴的に節合された形で構造化されているとした。無意識を個の閉ざされた心(言語的構造)から解放し、社会経済的な欲望の文脈においていかなる記号的要素が相互に作用して<世界>の像を構成するかを明示したのはドゥルーズとともに『アンチ・オイディプス』を著したガタリだった。
最近の取り組み(『発生的記号論序説』(Ⅰ)~(Ⅳ))について特に(Ⅲ)「目的合理性vs. 規範的合理性」を中心に紹介し諸賢の批判を乞う。
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