設立目的


 認知発達理論には様々なものがある。また、新しい考え方も次々と提出されている。また、研究者が異なれば、その理論的立場も異なると言われる程、研究者の理論的立場は多様である。しかし、日本的伝統においては、理論的立場が異なる者同志は理論に関して相互に議論しあわないのが実情である。しかし、これでは、認知発達理論の科学的前進を期待することはできないであろう。

 

 本分科会は、参加者の理論的立場の相違を越えて、自由な雰囲気の中で、認知発達に関して議論する場を提供し、それを通して各自の理論構築あるいは理論深化の一助になることを願って設立するものである。この目的を達するため、最近出版された認知発達に関する研究書(あるいは、論文集)のうち、理論的に重要なものを取り上げ、それを検討することを通して、認知発達理論に関する最新の研究動向を知ると同時に、それをめぐって理論的立場の異なる会員同士が議論をたたかわせる機会を提供する。

 

 また、認知発達理論の観点からみて、重要と思われる課題について学会シンポジュウムを開催したり、注目すべき研究をしている研究者を講師として招いてその研究について議論する機会も必要に応じて設ける。更に、将来の認知発達研究を担う研究者の養成という観点より、大学院生など若手研究者が、所属する大学の枠組みにとらわれず、自らの研究を発表しそれを批判的に検討してもらう機会も提供する。

 

 以上のような事業活動を通して、認知発達理論に関する会員相互の交流と啓発を促進し、ひいては、日本における認知発達研究の向上をはかることを目的とするものである。